不機嫌な人は、「自分の中にも」いるかもしれない
先日、
とある上場準備中のベンチャーで管理部長をしているAさんと、食事をする機会がありました。
そこで、女性の経理アシスタントさんに対する悩みを聞きました。
どんな感じかというと、
・会社の規模が小さい頃から、仕訳記帳や書類管理をしてくれている人で、管理部門のアルバイトさんの中では一番社歴が長い
・IPO準備段階に入り、業務が多忙となり、みんな残業をしているのを知っているにも関わらず、「自分は絶対に残業はしたくないから、余計な仕事は振ってこないでw」と言って、冗談っぽく言いながらすぐ帰ってしまう
・これはまずいと思ったAさんが、「1時間でも30分でもいいから、手伝って貰うことはできないだろうか?」と真剣にお願いすると、ムッとした態度に。その日を境に不機嫌な態度をあらわにするようになる。
・しびれを切らしたAさんは、「そのような態度は、チームの士気を乱すから止めてほしい」と指摘すると、激怒。じゃあ言わせてもらうけど、と言わんばかりに、「あの人はいつもあれをしない」「みんな気づいてないと思うけど、私はこれをやっている」と他者批判・自己正当化に終始する
・そんな不機嫌な腫物状態で、仕事が回りづらい空気をかもしだしながら、毎月毎月、経理のアシスタントにしては相当良いお給料を受け取っている
・風のうわさで、同僚の若手会計士の給料が自分より高いことを知ってしまい、またも激怒。余計に不機嫌になる⇐いまここ
※実際の内容とは良い感じで変えております。
うん。
なかなかしびれますね。
僕は、以前ベンチャー企業の経理チームリーダーをやっていて、
たまたま良いメンバーに恵まれていたので、ここまでの事は起きなかったですが、
きっと似たような問題が起きる可能性はあったなーと思って、
とても自分事に感じました。
「こんな奴、厳しく当たって辞めさせればいいだろ!!」
という声も聞こえてきますが、
ちょっと一呼吸おいて、こういう人に想いを馳せてみたいと思います。
まず、思いついたのは、
「あ、こういう人が感じてる感情、俺の中にも確かにあるわ」
ということです。
言動に移すかは別にして、
「俺はこんだけやってんのに、あいつはやってない!」
「あいつは、ああいう甘い考えだけど、俺はもう1つの上の目線でちゃんと考えられている!」
みたいな、他者批判・自己正当化の感情、
自分ができていて、他人ができていないことに焦点を当てる感覚
は、普通にわいていることに気づきました。
"不機嫌になる種みたいなものを持っている"
ということは、
意外と一緒なのかもしれません。
次に、
じゃあ、なんでこういう人はその感情をそのまま言動に表してしまうんだろう。
なんで不機嫌になってしまうんだろう。
なんでひねくれてしまうんだろう。
それを考えました。
すると、"心の傷"というワードが浮かんできました。
そうか・・・
そういう不機嫌の種になる感情がわいてきたときに、
自動反応的に他人を攻撃したり、自分を正当化したりするスイッチがあるんだ・・・
じゃあ、なぜそういうスイッチがあるんだろう・・・
そうか・・・
何かものすごく傷ついた出来事があるからなんだろうな・・・
また傷つかないように、自分を守るために、先に他者を攻撃する
それを癖でやっているんだな・・・
根本は傷つきたくないだけなんだ・・・
ただ悲しかっただけなんだな・・・
あ・・・
その悲しいって気持ち、俺の中にもあるわ・・・
ということに気づきました。
その瞬間、ただただ辞めさせればいい、という発想から、
なんともいえない感情がわいてきました。
そして、その人の幸せを祈りたくなりました。
現実問題として、こういう人をどうにかしないといけないわけですが、
そんな難問に向き合うときに、
「あー、この人って、俺と一緒だな・・・」
と、1秒でもその人に自分の一部分を見出せば、
もしかしたら、お互いにとって良い方向へ導いてくれるきっかけになるかもしれないですね。
というわけで、
今回は、
不機嫌な人は、自分の中にも見出せるかもしれないですね、
そうすることで、自分にも不機嫌な人にも何か良い事が訪れるかもしれないですね、
というお話でした。
ありがとうございました。
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